「前はもっと、できてたのに」
ふとした瞬間に、そんな言葉が頭をよぎって
胸の奥がギュッと締めつけられる。
昔のわたしは、もっと余裕があった。
もっと頑張れていたし、もっとちゃんとしていた気がする。
それなのに今は、すぐ疲れてしまったり、
気持ちが追いつかなかったり、思うように動けない。
今回は、そんな「過去の自分」と今の自分を比べて
苦しくなってしまう心の動きについて、わたしなりに綴ってみようと思います。
“前はもっとできたのに”と思ってしまう日
きっと、誰しもあるのではないでしょうか。
「前はもっとできてた」「あの頃はもっと頑張れてた」って思い出して、
なんだか今の自分が情けなく感じてしまう瞬間。
だけど、そんなふうに思ってしまうのは、
過去の自分を“正解”としてしまっているからかもしれません。
そして今の自分は、その正解から遠ざかっている“ダメな存在”のように感じてしまう。
「がんばれていた過去」が美化される理由
あの頃のわたしは、本当に“できていた”のでしょうか?
思い返してみれば、必死だった。
寝る間も惜しんで、まわりの期待に応えようとしていた。
がんばれていたというより、“がんばらざるを得なかった”だけだったのかもしれない。
無理してたあの頃のわたしを、美しい記憶として塗りかえて、
今のわたしに「もっとやれたでしょ」と責めてしまっていた。
今の自分が抱えているものに気づく
過去と今は、比べられるものじゃない。
年齢も、環境も、体力も、心の状態も違う。
今のわたしは、今のわたしなりに
たくさんのことを抱えて、目に見えないところでがんばっている。
気づかないうちに疲れていて、
それでも動いているだけで本当はすごいことなのかもしれません。
他人とじゃなく“昨日の自分”と向き合う
人と比べて落ち込むのは、もうやめよう。
でも、過去の自分と比べて苦しくなるのも、同じくらい心にダメージを与えます。
今のわたしには、今のわたしのペースがある。
調子が出ない日も、うまくできない日もある。
それでも「昨日よりちょっとだけ、自分に優しくできた」
そんな小さな進歩を、ちゃんと認めてあげたい。
前と同じじゃなくていい。今を生きるということ
前の自分に戻る必要なんて、ないのかもしれない。
今のわたしにしか歩けない道があって、
今のわたしだから感じられることがある。
比べるのではなく、今をちゃんと生きているわたしに目を向けて。
それだけで、少し心がふわっと軽くなる気がします。
「前はもっとできたのに」
そんな気持ちさえも、今のわたしが受け止めてあげよう。
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